蛍って、梅雨のじめじめした時期になると
夜空を飛んでいる姿を見ることが出来ますよね。
しかし、蛍が光りながら飛ぶ姿を見られるのって
一年のうちでもほんの少しの期間だけです。
では、蛍って冬は一体どうしているのでしょうか?
蛍の生態に迫ってみたいと思います。
蛍は冬はどう過ごしているのでしょうか?
蛍といえば、お尻を光らせながら夜空を飛び交う姿が有名ですよね。
しかしそんな蛍ですが、実は成虫になってからは
一週間程度しか生きることが出来ないのです。
成虫になった蛍は
口が退化しているために水以外の食べ物を食べることが出来ません。
成虫は、幼虫の頃にたくわえた栄養で
生きているといってもいいでしょう。
そんな短い成虫の間に蛍は卵を産みます。
蛍の一生についてみていきましょう。
・【産卵】
蛍が飛んでいるのが見られるのは、6月頃です。
その間に蛍のメスは卵を産みます。
1匹の蛍は500~1,000個の卵を産むといわれています。
・【孵化】
卵は約1ヶ月程で孵化します。
卵の期間というのは案外短くて1ヶ月ぐらいなんですね。
・【幼虫】
卵から孵化した幼虫はすぐに水の中に入っていき
夏~春にかけては幼虫の姿で水の中で
カワニナなどの餌を食べて成長していきます。
・【サナギ】
5月頃になると水中から湿った土の上に出てきて
土のうを作ってさなぎになります。
・【成虫】
蛍が飛んでいるのが見られる6月頃さなぎは羽化します。
メスよりもオスのほうが一週間ぐらい早く羽化すると言われています。
蛍というのは、幼虫の期間が一番長いということがわかりますね。
蛍は冬の間は幼虫として水中に潜り
昼間は石の下などの安全な場所でじっとしていて
夜になるとエサを捕まえるために活動します。
蛍はこの長い幼虫期間の間に
何度も脱皮を繰り返しながら大きくなっていくんです。
蛍を冬に見ることはできる?
冬は幼虫の姿で過ごしている蛍。
では、冬に蛍を見ることはできないのでしょうか?
実は、西表島に行けば、冬でも蛍を見ることができるというのです。
西表島で見られる蛍を紹介していきたいと思います。
西表島というのは、沖縄県にある、本土に次いで面積の大きい島になります。
西表島は島のほぼ90%が亜熱帯ジャングルに覆われており
貴重な生き物や自然がたくさん残されている場所です。
そんな西表島には、冬でも見られる蛍が生息しているようです。
西表島に生息する主に4種類の蛍にどんなものがいるのか見ていきましょう。
・ヤエヤマボタル
2月下旬~5月上旬にかけて見られる蛍です。
メスは羽がなく、飛ぶことが出来ません。
オスは飛ぶことはできますが、長時間の飛行はむずかしいようで
地面の近くをゆっくりと飛んでいる姿が見られます。
特徴としては、一箇所に数千~数万匹の蛍が集まって光るので
光る姿はまるで光のじゅうたんのようだと言われています。
・キイロスジボタル
4月~11月に見られる蛍です。
木や枝などの高いところを好み
ついたり消えたりするのではなく光を点したままの状態で飛び交っています。
数はそれほど多くなく、ぽつぽつと星空のような感じで光っているのが見えます。
・オオシママドボタル
12月~1月に見られる蛍です。
結構大きめの蛍で、1.5cm~3cmほどの大きさがあります。
幼虫の頃から光を放ち
9月頃から幼虫が光っているのを見ることができることもあるそう。
・イリオモテボタル
11月~12月下旬に見られる蛍です。
別名「冬の蛍」と呼ばれています。
気温が20度以下の低いときによく光る蛍とされ
気温が低ければ低いほど強く発光するそうです。
このイリオモテボタルは、沖縄でしか見ることができない固有種であり、
沖縄県の絶滅危惧種として大切に保護されているそうです。
西表島ナイトツアーなんてのも開催されているようで
蛍や夜の自然を堪能することができそうですね!
まとめ
蛍は、一年のうちでもほんの少しの期間しか見ることができませんよね。
そんな蛍ですが、一年のほとんどは幼虫の姿で水の中にいるということがわかりました。
さらに、日本には冬でも蛍が見られるということも驚きですね。
蛍の生態系をよく知ることで
蛍の光る夜空をより楽しいものにしてくださいね。